Javaとオブジェクト指向
javaファイルの作成と実行
MyFirstApp.java
public class MyFirstApp{
public static void main(String [] args){
System.out.println("Hello World!");
}
}
$javac MyFirstApp.java
$java MyFirstApp
Hello World!
JVMとコンパイラ
JVM
- プログラムを動かす – インタープリタ方式で逐次解釈・実行
コンパイラ
- クラスファイルの作成(バイトコード)
- 構文チェック
オブジェクト指向のメリット
- 実際の物事の動きをそのままプログラムに置き換えることができるので、プログラムの設計がしやすい
- 機能を追加するときに、既存のコードへの影響がないのがいい
- データとそれを操作するメソッドを1つのファイルにまとめることができるので便利
- すでに作ったクラスを再利用できる、継承して機能を追加するということも簡単
クラス
- インスタンス変数とメソッドを持つ
- インスタンス変数
- オブジェクトごとに持つ変数
- クラスのステート(状態)
- インスタンス化することでオブジェクトが作成できる
- クラスはオブジェクトの設計図
- javaのプログラムはクラスの集まり
- クラスが膨大になったら.jarファイルにまとめることができる
- privateにはできないが、publicにしないことはできる - その場合、同じパッケージに属するクラスしか継承できないようになる
- final指定することで継承させないことができる - 勝手にメソッドの機能を書き換えさせたくない場合 - 例えばStringクラスはfinalになっている
メソッド
- オブジェクトが継承し実行できる関数
- クラスの機能
- final指定するとオーバーライドできない
クラスの作成と使用
Dog.java
class Dog{
int size;
String breed;
String name;
void bark(){
System.out.println("Ruff!Ruff!");
}
}
DogTestDrive.java
class DogTestDrive{
public static void main(String [] args){
Dog d = new Dog();
d.size = 40;
d.bark();
}
}
変数
- 大きく分けて、プリミティブ型(整数など)と参照型)(オブジェクトの参照)の2種類がある
- 変数に代入されるのは、オブジェクトそのものではなく、オブジェクトへの参照
- インスタンス変数はクラスの中で宣言する
- ローカル変数はメソッドの中で宣言する
- インスタンス変数は初期化をしない場合、以下のデフォルト値が代入される
- int 0
- float 0.0
- boolean false - 参照型 null
- ローカル変数は利用する前に初期化が必要
インスタンス変数
- インスタンスにつき1つ存在
オブジェクトリファレンス
- 同じクラスの変数は再代入可能
- final宣言していると再代入不可
- nullを入れると参照がなくなる
- 参照がなくなったオブジェクトはガーベジコレクションされる
配列
- 配列自身は常にオブジェクト
Dog [] pets = new Dog[7];
Dog[0].name = 'Fido';
Dog[0].bark();
カプセル化
- データ(インスタンス変数の値)の保護
- 想定外の値にならないようにする。例えば負の値は許さない、など
- 外からはgetter,setterでのみしか扱えないようにする
GoodDog.java
class GoodDog{
private int size;
public int getSize(){
return size;
}
public void setSize(int s){
size = s;
}
void bark(){
if(size > 60){
System.out.println("Woof!");
}else{
System.out.println("Yip!");
}
}
}
GoodDogTestDrive.java
class GoodDogTestDrive{
public static void main(String [] args){
GoodDog one = new GoodDog();
one.setSize(70);
one.bark();
GoodDog two = new GoodDog();
two.setSize(10);
two.bark();
}
}
型変換
Integer.parseInt("3");
キャスト
log y = 42;
int x = (int)y;
ArrayList
- 通常の配列と異なり、宣言時にサイズを決めなくても良い
import java.util.ArrayList;
import java.util.Iterator;
import java.util.List;
public class ArrayListTest {
public static void main(String[] args) {
List<Integer> list = new ArrayList<>();
list.add(1);
list.add(5);
list.add(2);
list.add(8);
//size
int theSize = list.size();
System.out.println(theSize);
//contain
boolean isIn = list.contains(8);
System.out.println(isIn);
// index
int idx = list.indexOf(1);
System.out.println(idx);
// check empty
boolean empty = list.isEmpty();
System.out.println(empty);
list.remove(2);
for(Iterator it = list.iterator(); it.hasNext();) {
System.out.println(it.next());
}
}
}
Java APIライブラリの使用
- java.langは例外的に指定しなくてもよい - String、Mathなど
- 標準拡張パッケージはjavax(今は標準パッケージと変わらないほど一般的になったものもあるが、慣例として分かれている)
- インポートはCのインクルードとは異なり、フルネームを逐一タイプする手間を省くもの
継承
- クラスのメソッドやインスタンス変数を引き継ぐ
- 元のクラスをスーパークラス、引き継いだクラスをサブクラスと呼ぶ
- メリット - コードの重複を減らす - 複数のクラスに共通のプロトコルを適用する(ポリモーフィズムも利用できる)
- Parsonクラスを引き継ぐJapaneseクラス
- Japanese is a Parson, Parson has a Japanseという関係になる
- privateを指定されたメンバは継承できない
- 継承する際の判断ポイント - 新たに作るクラスは、元のクラスよりも具体的なものでなくてはならない - 機能のかなりの部分が共通している同種のクラスを複数作る必要がある時に利用する - 再利用の目的だけで継承しない(例えば、同種でなければ継承するべきではない) - is a関係にする
public class FamilyDocter extends Doctor{
void giveAdvice(){
}
}
ポリモーフィズム
- 非常にシンプルかつフレキシブルで、効率的なコードが書けるようになる
- プログラムにサブクラスが追加されても、コードを修正する必要はない
Animal [] animals = new Animal [5];
animals[0] = new Dog();
animals[1] = new Cat();
animals[2] = new Wolf();
animals[3] = new Hippo();
animals[4] = new Lion();
for(int i=0; i<animals.length; i++){
animals[i].eat();
animals[i].roam();
}
## オーバーライド - サブクラスでスーパークラスのメソッドを書き換える - final指定されているメソッドはオーバーライドできない - オーバーライド時にアクセスレベルを下げてはいけない - 引数の型は変えてはいけない
オーバーロード
- 名前が同じで指定できる引数の異なるメソッドを作ることができる
- 戻り値の型を変えることができる
- 戻り値の型だけを変えることはできない - アクセスレベルは上げることも下げることもできる
public class OverLoads{
public int addNums(int a, int b){
}
public double addNums(double a, double b){
}
}
## 抽象クラス - インスタンス化させたくないクラス - 例 - それ自体は使わないスーパークラスなど
abstract class Canine{
public void roam(){}
}
抽象メソッド
- サブクラスで必ずオーバーライドしなくてはいけない
- より具体性の高い下位のクラスに持たせるべきメソッドに適用する
- 抽象メソッドには本体がない
- 1つでも抽象メソッドを含むクラスは、抽象クラスにしなければいけない
Objectクラス
- JavaのクラスはすべてObjectクラスを継承したもの
- 明示的に何かのクラスを継承していないクラスは、自動的にObjectを直接継承しているとみなされる
- 持つメソッド
equals
,getClass()
,hashCode()
,toString()
- Objectクラスに代入すると、元のクラスのメソッドは使えない
public abstract void eat();
Objectクラスの型を元に戻す
Object o = al.get(index);
if(d instanceof Dog){
Dog d = (Dog)o;
d.roam();
}
多重継承
- 2つ以上のクラスを継承すること
- 例えばダイアモンド継承は、大きな問題を引き起こす - DigitalRecoderスーパークラスは、burn()メソッドをもつ - サブクラスCDBurner, DVDBurnerはburn()をオーバーライドする - CDBurner, DVDBurnerを継承したサブクラスComboDriveは、どちらのburnが実行されるかわからない
- Javaでは多重継承はできない
- 代わりにインタフェースを使う
インタフェース
- 完全な抽象クラスと呼ぶべきようなもの
- インタフェース中のメソッドはすべて抽象メソッド
- インタフェースはあらゆるクラスでインプリメントできる
- 1つのクラスで複数のインタフェースをインプリメントすることもできる
Pet.java
public interface Pet{
public abstract void beFriendly();
public abstract void play();
}
Dog.java
public class Dog extends Canine implements Pet{
public void beFriendly(){}
public void play(){}
}
スーパークラスのメソッドを利用
super.runReport();
メモリ上の格納場所
- スタック - メソッドやローカル変数が格納される
- ヒープ - オブジェクトが格納される
コンストラクタ
- newが実行されたときに実行される
- 作成しなかった場合はコンパイラが引数のないデフォルトコンストラクタを自動的に作成する
- コンストラクタを作成したら、デフォルトコンストラクタは作られない
- コンストラクタのオーバーロードも可能 - 複数のコンストラクタをもたせること
スーパークラスのコンストラクタ - オブジェクトのスーパークラスの部分を作成するため、サブクラスが作成されるときも実行される - 一番上位のコンストラクタから順に実行される - 意図的に呼び出す場合は、
super()
と書く - 書かなかった場合は、 コンパイラがsuper()
を挿入する -super()
は必ずコンストラクタの1行目に置かれるpublic class Duck{ int size; public Duck(int duckSize){ size = duckSize; } }
コンストラクタの中でコンストラクタを呼び出す
thisとsuperは同じコンストラクタ内では使えない(いずれも1行目に書く必要があるため)
class Mini extends Car{
Color color;
public Mini(){
this(Color.Red);
}
public Mini(Color c){
super("Mini");
color = c;
}
}
オブジェクトの寿命
- ローカル変数は、メソッドの実行が完了するまで
- インスタンス変数は、オブジェクトが生きている限り有効
- オブジェクトは、参照がなくなるまで
スタティックメソッド
- グローバルなメソッド
- 例えばMathクラスのメソッド(Math.min(65,12))
- スタティックメソッドでは、インスタンス変数は利用できない(スタティックではない変数のため)
- スタティックメソッドの中で、通常のメソッドを呼び出すことはできない(インスタンス変数によって動きが変わるため)
public static int min(int a, int b){
}
スタティック変数
- クラスのすべてのインスタンスで値が同じになる変数
- クラスにつき1つの変数
- クラスのあらゆるインスタンスが作成される前に初期化される
- 初期化のコードが入っていない場合は、自動的にデフォルト値が設定される
- static final - 初期化後は変更できない - 慣例上、すべて大文字にする
数字のフォーマット
String.format("%.2f", 10000.09887);
例外
- 例外のキャッチ
- try/catchブロックで囲む
- 例外はすべてException型を継承するオブジェクト
- コンパイラが関知する種類の例外をチェック例外と呼び、RuntimeExceptionを継承する例外を非チェック例外と呼ぶ
- finallyブロックを書くことで、例外が発生した場合もそうでない場合も行うべき処理を書くことができる
- catchブロックを書く場合は、対応する例外クラスが下位のものから書く - 上位のものから書くとエラーになる(その下位のものがキャッチされないため)
例外の発生
- 宣言時にthrowsキーワードによってBadException例外が発生する可能性を示す - 複数の例外が発生する可能性があるなら、複数書く - 共通のスーパークラスがあるなら、スーパークラスだけ書いても良い
- メソッド内のthrowsで実際に例外を発生させる
public void takeRisk() throws BadException{ throw new BadException(); }
例外を回避する場合
- throws宣言をする
- 例外が発生すると呼び出し側のメソッドに渡される
- 呼び出し側のメソッドのどこかでtry/catch処理をしなければコンパイルエラーになる
public void takeRisk() throws BadException{
}